52年分の思いを写真とメッセージに込めて 人生の1ページに加わった“夫婦の変わらない笑顔”

2/1〜2/29まで開催の「バレンタインフェア」の一環として、撮影にご協力いただいた9組の ふうふ のストーリーを配信しています。
今回は、石綿夫妻のストーリーをお届けします。


石綿孝一さん(元会社員、2020年定年退職)

石綿真由美さん(看護師)

1983年結婚。今年で結婚38周年。高校時代にお付き合いを始め、その日から52年の年月を重ねた。夫婦ふたりだけの時間が始まったばかりで、3人の孫と会えることも日々の楽しみのひとつ。


Q. おふたりの出会いから今までを教えてください。

孝一さん:

高校の通学で利用していたJRの列車で知り合いました。ある日突然、真由美から手紙をもらったんです。「文化祭に来ませんか」というお誘いと、「まずはお友達からお願いします」と書いてありました。毎朝同じ車両に乗ってくる彼女の存在は知っていましたが、まさか手紙をもらうなんて…。本当にびっくりしたことを今でも覚えています。

真由美さん:

今思い出すと恥ずかしいですね。背が高くて素敵な人だなぁと思っていつも見ていましたがなかなか声をかけることができず…。一度も話したことがないのに、思い切って手紙を渡したのが最初です。

結婚してすぐに子どもを授かったので、お互いに仕事と育児でとにかく忙しかったです。私は看護師なので夜勤や土日の勤務も時々あって、そんなときは孝一さんが一手に引き受けてくれて。子どもたちに寂しい思いをさせないように公園や色んなところで遊んでくれて、私も救われましたね。

孝一さん:

二人三脚で色んなことを乗り越えてきましたが、もちろん喧嘩をすることもあって。僕の方が言いすぎてしまったときでも、翌朝彼女は必ず「おはようございます」って言ってくれるんですよね。そうすると怒っていた自分の心が溶けていって、謝るきっかけもできることもあって。彼女の「おはようございます」に支えられて、夫婦を続けられたようなものです。

Q. 夫婦になってよかったなと思う瞬間はありますか。

孝一さん:

僕は何事にも緊張したり、真面目に考えすぎるところがあるのですが、彼女はいつもポジティブでどーんと構えてくれている。

会社員時代、僕は体調を崩してしばらく休職したことがありました。あぁ、これからどうしよう、家族にも迷惑をかけてしまうと思いながら寝ていたときに、彼女は僕の手をぎゅっと握って「大丈夫。私がついているから」と言ってくれたんですよね。あのときは心から安心して、この人がそばにいてくれてよかったなと思いました。

真由美さん:

すごく心配性で不器用な人なんですけど、そこも好きなところです。道路を渡るときも、危ないからといつも私の腕を掴んで渡るような人なんです。

そうやって会社でも家庭でも真面目に働いてくれる中、私は自分が好きなように自由に過ごさせてもらって。今、新しい職場からお声がけいただいて、孝一さんも応援してくれているのでもうひと踏ん張り社会のために働いてみようと思っているところです。

Q. 今回、ご夫婦で撮影をしていかがでしたか?

真由美さん:

子どもが小さい頃は写真館で家族写真を撮ったりすることはありましたが、夫婦ふたりだけでスタジオ撮影をしたのは初めてでした。撮影時間はずっと楽しかったです。孝一さんは3日前から緊張していたみたいですが(笑)

孝一さん:

最初は、この場から逃げ出したいくらい恥ずかしくて緊張していて。でも、フォトグラファーの方が色々と話しかけてくれて、会話を楽しんでいるうちに撮られていることを忘れていました。

出来上がった写真を見てびっくり。真由美の姿は毎日見ていたので、いつもの変わらない姿が写っていてすごくいいなと思ったのですが、その横に見たことのない自分の姿が写っていて。彼女とこんな風にして笑うんだ、一緒に並んでいる後ろ姿はこんなに良いものなんだと新しい発見ばかりで。

真由美さん:

相手へのメッセージを書く時間では、改めて孝一さんとのこれまでを色々思い出しながら考えました。ときには細かくてうるさいなと思う時もあるんですよ。でも、常に支えられてきた安心感が確かにここにあって。

そんな思いを文字にしてみて、今日のこの日が人生において特別な1ページとして加わったような温かな気持ちになりました。

孝一さん:

撮影が終わった安堵感と夫婦の形を再確認できた嬉しさとで、スタジオを出た後、思わず真由美と手を繋いで駅まで歩きました。これからもよろしくという気持ちを込めて。

インタビュー日
2022年12月

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