interview #1 - Keijiro Manabe

「自然な笑顔、泣き顔」をさりげなくとらえ、ストーリーが見えるような温かい写真を残す

Keijiro Manabe

 1991年生まれ、岐阜県出身。大学で映画制作を学ながら、学外でNGOの活動に参加し、カンボジアでサステナブルデザインによる雇用創出に取り組む。

 帰国後、フォトグラファーに転身。クッポグラフィーに加わると、映像分野で培った知識や経験を写真撮影に結びつけ、瞬く間に頭角を現す。

 持ち前の若さと積極性を生かし、保守性の強い業界において、常に新しいチャレンジを続けるフォトグラファーの一人。

【HISTORY】「型通りの記念写真ではないウェディングフォト」に惹かれて

 実をいうと、最初はウェディングフォトに対してあまりいい印象はありませんでした。きっかけは、僕の実兄の結婚式。現場での撮影はプロのフォトグラファーに依頼したのですが、できあがってきた写真を見ると、どれも「カメラ目線で固い笑顔をしている集合写真」や「ケーキ入刀や乾杯のシーン」など、型通りのものばかりでした。実際の結婚式はすごく素敵な雰囲気だったのに、それが写真から伝わってこなかったのです。ちなみに当時僕は美大で映画やデザインなどの勉強をしていたので、披露宴のオープニングとエンドロールで使うイメージ映像を作ったのですが、兄も「お前の作った映像の方が感動的でよかったよ」などと苦笑していました。大学を卒業した後は、山口県でデザイン事務所を立ち上げ、発展途上国の地域活性化事業に取り組んでいたのですが、やはり再びカメラの仕事がしたいと考えるように。そんなときに出会ったのが、クッポグラフィーでした。「これからは単なる記念写真ではなく、高い品質の写真を撮れるウェディングフォトグラファーこそがお客様に必要とされる」というビジョンに、僕も共鳴したのです。

 

【POLICY】お二人とのほどよい距離感を守り、自然に幸せな雰囲気を写しとりたい

誓いの言葉を読み合う新郎新婦の奥で、二人を優しく見守るお母様のなんとも言えない表情を捉えた一枚。

誓いの言葉を読み合う新郎新婦の奥で、二人を優しく見守るお母様のなんとも言えない表情を捉えた一枚。

わざとらしくない、自然な表情を引き出すのが得意。

わざとらしくない、自然な表情を引き出すのが得意。

 学生時代に映画の勉強をしていたことが影響しているのかもしれませんが、ウェディングフォトにおいても「わざとらしい感じがする写真」は好きではありません。演技が不自然に大げさな俳優が出てくると、映画が台無しになってしまうのと同じですよね。だから僕は現場で不自然なポーズを強要することはないし、笑顔を引き出すために無理やりテンションを上げて盛り上げることもしない。あくまでお二人と自然で心地よい距離を保ち、会場のみなさんが楽しんでいる自然な表情を撮影するようにしています。そして僕が目指しているのは、数年後に見返したときに「ああ、あのときあんなことがあったよな」と、思わずストーリーがよみがえってくるような写真。そのためにも、お二人がどんなことを、どんな人たちを大切にされているのかをしっかり踏まえ、会場全体に目を配って素敵なショットを見逃さないようにしています。たとえばある新郎様は「あの結婚式のとき、弟が泣いていたなんて知らなかった。彼のあんな顔を見たのは初めてです」と喜んでいらっしゃいました。

 

【LIFE STYLE】常に「ワクワクすること」「好きなこと」を選びたい

趣味の食べ歩きで中華街を訪れた時の一枚。家でじっとしているよりも、外に出かけて新しい発見や出会いが生まれるのが好き。

趣味の食べ歩きで中華街を訪れた時の一枚。家でじっとしているよりも、外に出かけて新しい発見や出会いが生まれるのが好き。

海外研修で訪れたバリにて。翌月にはバリを再訪し、メインフォトグラファーとして実際の結婚式撮影も行い、また一つ経験を積んだ。

海外研修で訪れたバリにて。翌月にはバリを再訪し、メインフォトグラファーとして実際の結婚式撮影も行い、また一つ経験を積んだ。

 僕の一番の趣味は「食べ歩き」。平日のランチタイムを狙って街を歩き、いろんなものを食べています。大勢で出歩くというよりは、友だちと二人でゆっくり会話を楽しみながら過ごすのが好きですね。ギョーザ、パンケーキ、スイーツなどおいしいものなら何でも好きですが、「行列に並ばない」のが僕のルール。なるべく混雑している時間帯をずらしてお店に行くようにしています。ちなみに最近一番印象に残っているのは、宇都宮旅行でギョウザを心行くまで楽しんだことかな(笑)。自分で料理を作るのも好きで、近ごろは健康のことを考えて「ご飯の代わりに山盛りの野菜を食べること」にハマっています。もちろん、カメラも大切な趣味の一つ。仕事用とは別にミラーレスのカメラを買って持ち歩き、心を惹かれた風景や小物を撮影しています。仕事においてもプライベートにおいても、僕が大事にしているのは「常に自分が好きだと思えることを選択する」ということ。生きていく中で分岐点に出会うことはたくさんありますが、自分自身が納得するためにも、どうせならワクワクする方に進んでいきたいと思っています。

 

【MESSAGE】いつまでもお二人の人生に寄り添ってゆける写真を目指して

実家には、いまだに兄弟四人の生まれた頃の写真が大切に飾られてある。

実家には、いまだに兄弟四人の生まれた頃の写真が大切に飾られてある。

甥っ子のハーフバースデーの記念に、クッポグラフィーのスタジオで家族写真を撮影した時の一枚。

甥っ子のハーフバースデーの記念に、クッポグラフィーのスタジオで家族写真を撮影した時の一枚。

 結婚式は、新郎新婦のお二人にとって「いろんな人に感謝を伝えたい場」。だからこそ、写真には新郎新婦はもちろん、そのほかの大切な人たちの魅力的な姿も残したい。そういう写真はきっと、何年たっても見返したくなるものになると思うのです。たとえば僕の場合、子供のころから四兄弟そろって毎年写真館で家族写真を撮影してもらっていました。成長するにつれてそういう家族写真を撮るのは恥ずかしくなってくるのですが、やはり今になって写真を見返すと「このころは楽しかったな」とか「このころは髪染めてとんがってたな(笑)」とか、当時の出来事をストーリーとして思い出すことができます。僕が撮影した写真も、そんな風にいつまでもお二人の人生に寄り添う大切な一枚になってほしい。そして写真に込めた想いを通して、僕もお二人に寄り添えればうれしく思います。そのためにも会場では、「仕事で来た一カメラマン」ではなく「お二人の幸せな時を一緒に祝う人」として、共に楽しい雰囲気を作っていきたいですね。その幸せな空気を一枚一枚、大切にシャッターで切り取っていけば、自ずとお二人にとってかけがえのない写真ができあがっていくと信じています。